2010-02-20 01:46 | カテゴリ:経理
1年に1度の切り札をもう使ってしまった。



日本の会計制度の根本が覆されるような大変革がもう目前に迫っている。

いわば会計の世界で“鎖国”状態にあった日本独自の会計制度が世界で認められなくなるのだ。

と、いうのもグローバル化に伴って、世界共通の会計基準による財務状況報告へのニーズが高まっているからだ。

タイトルにもなっているIFRS(International Financial Reporting Standards)が強制適用されれば

実務的にも、システム的にも、そして財務状況評価においても劇的な変化が訪れるだろう。



とりあえず、今までのB/S、P/Lといった類の計算書類は全く新しい様式に変わるだろう。

層別の問題といってしまえばそれまでだが、包括利益計算までのプロセスは実務家にとっては苦労が多そうだ。

特にC/Fから包括利益への調整は骨が折れそうだ。



固定資産においても、個別に償却しなければならないとなると二重台帳の必要性は必至だし

リース物件を例外なく資産計上しなければならないとなれば影響も大きい。

株式だって純資産で計上できない部分(負債計上)が出てくれば、自己資本比率に大きく影響する。

退職給付金制度の数理差異を損金計上というのも、なんとも恐ろしい話だ。



経理以外の人にとっても重要な変革と言えば、製造業は特にそうだろうが

収益認識において出荷基準が使用不可になるというところだろう。

厳格な検収基準を用いることにより、物品が買手に検収されるまでのリスクを財務諸表に反映させようとするものだが

売っても売上にならない、モノが無いのに在庫として計上されるといった現象が起こるわけだ。

実質は○○日後に検収されるだろうという基準を設けて期ズレを認識することになるのだろうが・・・。

なんにしても、これだけの大改革だと個々の会社が個別に対応してうまく稼動していくのだろうか。

少なくとも連結重視である以上、グループ間はシステムの共通化を図らなければ

過去に遡って計算書類を作らねばならない初年度の負担は計り知れない。



しばらくは早期適用を行った企業の動向をチェックする必要がありそうだ。

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